今日は偶然にも女子バレーボールの「ワールドグランプリ2007」の中継がありますが、これを見越してこの本を読んだ訳ではありません。_(._.)_
「かつて世界の頂点を極めた日本のバレーボールが、凋落を始めた原因はなんだったのだろう」という素朴な疑問は昔から持っていました。我々の世代だと物心ついた頃に見たミュンヘン、モントリオールなどのオリンピックで「高さのソ連」とともに世界を席巻していた「日本のコンビネーションバレーボール」の印象が非常に強くイメージに残っているからかもしれません。
当然のことながら、外国人選手に比較して身体能力で劣る日本人選手が世界を相手にするために編み出した、各種クイック攻撃に代表される、「技術のバレーボール」に諸外国も対応してきたこと、また、当時と比較してバレーボールの底辺が広がり、技術だけでは対抗できないほど身体能力の高いバレーボール選手層(*1)が増えてきたことは大きな原因かもしれません。でもそれ以上に何かがあるのではという疑問は常に残っていました。
この本の中で二宮清純はJリーグと比較して、Vリーグが企業体質を脱却できなかったことを一つの原因としてあげています。企業の補助によって支えられているスポーツであるため、所属企業の業績によって活動自体が左右されてしまう --- 事実、過去の名門チームである日立、ユニチカなどが廃部となっていますし、業績が悪くなれば「バレーボールどころではない」と言う指摘もうなずけます。ただ、日本のスポーツを評論する方は、皆、この論理を展開しますので ( 間違ってはいないとは思いますが... ) 少々食傷気味です(苦笑)。
中田久美の視点はもっと鋭く、「戦い方 ( ゲームの組立というように理解していますが ) がうまくない」という表現を使っています。「高さに対抗するためスピードで勝負」と言う戦術を採っていても、単に「ストップウォッチ」で計ったようなスピードを追求してもダメであり、如何に相手のブロッカーの付いてこられないスピードをつけるかが重要という表現を使っています。つまり、「ストップウォッチで計った速度は遅くても、相手の動きを読んでブロッカーが付いてこられないところに攻撃を仕掛けることが重要」と言うことで、この「相手の動きを読む」ための技術移転が図られていないのではと言うものが印象に残りました。
「点を取った後、ハイタッチなどして喜ぶのはもちろん良い点もあるが、相手のコートから視線を切ってはいけない」( 特にセッター ) という指摘は非常に興味深く、今現在、そうした観点も含めて TV 中継を見てます(笑)。--- 例によって TV中継の映像の出し方も問題なのですが、中田の忠告は完全には生かされていない気がします ---
とは言え、この本が出版された2003年から既に4年が経過していますし、状況も変化していますので、この本の内容の通りになれば活路を見いだせると言う訳でもないのでしょうが...コミックの世界の「梶容子」や「大久保ヨリ」のような(笑)、「世界の壁を打ち抜く、並外れたパワーを持つアタッカー」が出現しない限り、「世界の強豪」へ返り咲くことは難しいのでしょうか...
*1) 特に中南米諸国:キューバ、ブラジル etc 日本が指導した国が含まれるのは皮肉です(笑)。
*2) 残酷なデータを示すと「天才セッター 中田久美」をもってしても、当時の日本女子バレーは「世界の 4強」に留まることはできたが頂点に立つことはできなかった。
# 「駄文をつらつら書いてないでラジオ聴けよ」と言われそうですが、今日も空は雨こそ降っていないものの、雷ピカピカなんですよ(爆)。