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2009.01.13

「カラシニコフ I , II」

カラシニコフ I (朝日文庫)
松本 仁一
4022615745
カラシニコフ II (朝日文庫)
松本 仁一
4022615753
1947年式カラシニコフ自動小銃。AK47と呼ばれる。内戦やクーデターが起きるたびに登場する、悪名高い銃だ。

--- 中略 ---

途上国で戦闘と暴力が吹き出すとき、そこにはたいていAKがある。AKの銃弾で命を失うのは、兵士よりもむしろ、女性や子供などの非戦闘要員に多い。その被害のあまりの大きさに、カラシニコフ銃を「小さな大量破壊兵器」と呼ぶ人もいる。
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AK47 旧ソ連軍の設計技師ミハイル・カラシニコフが1947年に開発した自動小銃。今も現役で使用されている。
「カラシニコフ I 」はじめに より。

先日のロシアの声「科学と技術」の番組の中で、このカラシニコフ自動小銃がロシアの技術として紹介されていました。部品点数の少なさから故障が少なく軽量であり、未熟な兵士にでも取り扱いが容易であるため、特に途上国で人気が高く、ベトナム戦争ではUS製M16以上の性能を発揮したがために、前線の米兵はM16の代わりに捕獲した敵のAK47を使ったと言われるほど...

確かにロシア(開発当時はソ連ですが)の技術と言われても文句の付けようがないです。しかし、当時の冷戦体制が影響したのでしょうが、東欧圏にライセンス提供されて作られたこの銃が東西対立の中で途上国に流れ込み、冷戦体制崩壊後から現在は不正なコピー品が多くの紛争の主役になっているということは、開発者にとってもとんだ迷惑な話のように感じます。

「カラシニコフ ひとはそれを悪魔の銃と呼ぶ」

という、文庫の帯に印刷されたコピーがそれを表しています。「カラシニコフ II 」の中でも指摘されていることですが、「悪魔の銃という汚名を着せてしまったのは、当時のソ連だったのではないのか」と言う指摘が心に残ります。

「カラシニコフ I」での舞台は主にアフリカです。
ダイヤモンドを巡る私欲から始まった内戦で、AK47だけで、他に重火器も使われなかったのに国ばかりか、子供達の夢や将来までも破壊されたシエラレオネの例。無政府状態の( 最近特に騒がしい ) ソマリア(*1)、失敗国家の赤道ギニア、ナイジェリア、チャド...ODAのあり方など特に考えさせられる内容(*2)になっています。
「カラシニコフ II」の舞台は、南米コロンビア(*3)からアジアへ。アフガニスタン、AK47の密造地帯パキスタン、そして今もなお安定しないイラクへと続きます。「母国を守るため」に設計された銃( ただし、ほとんどはライセンス切れ、若しくは不正に製造されたコピー品 ) が世界中に拡散し戦渦を巻き起こしていることは、設計者であるカラシニコフ氏にとっても不幸な出来事であると受け止めるべきなのでしょう。

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*1) ソマリランドを除く。ここの例はAK47を押さえ込んだ数少ない例として、いわば「希望の光」として取り上げられている。
*2) 「失敗国家」については、別途記事を作成予定。しかし、こうした国の顔ぶれを見ると、現在も短波による放送を行っている国が多いなと思ってしまいます。
*3) PWR2009の巻頭記事参照。そこに写っている銃がAK47( コピー品 )と思われます。

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