民族問題は難しい...
最近、Serbia の放送を聴きたいと思っているのはこの本を読んだため。
![]() | 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ 木村 元彦 集英社 2005-06 by G-Tools |
もう、2007年になっておりセルビア・モンテネグロと言う国もそれぞれ別の国になってしまっているため、少々読む時機を逸したという気もしていますが、旧ユーゴスラビア連邦を巡るあまりにも複雑な国際関係は良く表現されていると思います。日本にいると「民族問題」と言うことは、なかなか理解しにくいことですが...
これまで不勉強だったのですが、チトーの死後ユーゴスラビアという国があまりにも急速に崩壊していったのは、チトーの跡を継いだミロシェビッチが民族主義を前面に押し出した政治を行ったためと短絡的に考えていました。しかしながらどうもそればかりではないようですね。チトーは民族融和のため、「民族主義を主張することを禁じる代わりに国家体制を批判することを許した」 --- 社会主義国家としては普通考えられない状態 --- が、その間に燻っていた過激な民族主義者たちが、死後、急速に台頭してしまったということでしょう。ミロシェビッチ以外が大統領を務めていても遅かれ早かれこうした運命にあったのかもしれません。
NATOによる空爆以前、確かにセルビア人による他民族への蛮行はあったが、空爆後はむしろ逆の状態になっている場合もあることなど、日本からではわからない情勢を自らの取材で克明に記述されています。世界中から「セルビアが一方的に悪い」とレッテルを貼られ実行された空爆でしたが、現時点から考えると果たしてそれは正しい選択だったのでしょうか。
「誰にとっても公正な報道」というものは難しい( 実際にはほとんど存在し得ないでしょう )という点から、放送を見聞きする側として考えさせられる本です。
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